【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第16章 異榻同夢※
だけどこの感情は執着のはずだ。
そう自分にいい聞かせて仁美は平然を装う。
こうしていちいち仁美の反応を試してくる悟にも一線引いた方が良さそうだ。
「もし上手くいったら私達と合同で結婚式やります?」
グシャッ!
「………なぁんて………冗談です…。」
仁美がそう言った瞬間に、手に持っていた缶コーヒーが一瞬にして潰れた。
あまり言い過ぎたら自分も缶コーヒーの様になりそうだ。
「……どうなっても知らないよ?」
悟は自分が飲んでいたいちごミルクを仁美に渡して言った。
「…甘いのいりません…。」
仁美は悟に返すと、悟の言葉の意味を考えた。
どうなると言うのだろうか。
「……上手く言ったら縛りは解いてくださいね…。」
「…………。」
「コレは冗談じゃありません…。」
何も言わない悟に仁美は目を細めて言った。
それだけ言うと仁美は校舎の中に入って行った。
悟は仁美を見送らなかったけど、大きなため息を吐いた。
仁美が術式を解呪してから彼女は魂の縛りまで解呪した様だ。
おかげで解呪していない悟は毎晩身を引きされる痛みを味わっている。
(本当に僕と離れる事を願っていたんだ。)
今は簡単に解呪した仁美に怒りさえ沸きそうだ。
その上僕に恋愛しろと?
仁美は自分をどこまで突き落とせば気が済むのだろうか。
(………分かっている…。)
仁美が望んでいる事は縛りの解呪ただそれだけなんだ。
悟の愛が偽物だと分かってしまったのだから、もう必要無いと言われてもしょうがないんだ。