【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第16章 異榻同夢※
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「ふーん……術式が使えないねぇ…。」
悟の怪しむ顔を見ない様に仁美は校庭で呪術訓練に励んでいる1年生達を見る事に専念する。
独り言の様に聞こえるが間違いなく仁美に言っているのだろう。
「呪力が無くなった訳じゃ無いのでしばらくは補助監督です。
どこも人手不足で食いっぱぐれないで良かったなぁ。」
呪力位は残っていて良かった、帳位は下ろせる。
「え?補助監督?」
「五条さんの補助監督は伊知地さん専門ですからねぇ。」
絶対に悟の補助監督なんてやりたくない。
仁美がやんわり断ると悟は見て分かる位不機嫌な顔になる。
ふぅ…相変わらず執着心は取れていない様だ。
「…五条さん、顔合わせ今週ですよ…。」
今度は悟の顔を見ながら言った。
禪院家からのご令嬢が京都からわざわざ悟に会いに来る。
仁美の呪いを解呪する為の牽制だったはずだが、どうやら直哉はそのまま押し切るみたいだ。
悟も気分が良くなさそうだが、それは仁美も同じだった。
当日直哉も来て仁美も一緒にその現場に行く様だ。
「…本当に僕を禪院家に売るの?」
人聞きの悪い…。
まるで私が悪者みたいだ。
「五条さんがお嫁さんを貰うんですよ。」
そもそもその約束をしたのは悟と直哉で仁美は関係ないはずだ。
(ああ、私だって別に見たくない。)
京都に居た時に直哉にチラッと紹介されたが、間違いなく悟好みの綺麗な人だった。
着物でも分かる位、スタイルは間違いなく仁美より良さそうだった。
「…僕に嫁が出来てもいいんだ…。」
いい訳が無い。
確実に嫉妬に狂いそうだ。