【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第16章 異榻同夢※
それはあまり重要な事では無かった。
術式が消えたなどいくらでもいい訳は出来る。
「悟くんに見つからへん様にな。」
「……ありがとう…。」
仁美はぎゅっと球を握って目を伏せて笑った。
「…仁美…。」
直哉は再び仁美を抱くと頭を強く握って仁美の耳元で囁いた。
「返しに来てくれや…。」
全て終わったら、もう必要無いと。
いつもの笑顔でまた会いに来て欲しい。
諦めないで欲しい、最後の最後まで。
そんな叶わない願いを強く思い、直哉は仁美に言った。
直哉のその気持ちが分かると仁美も目を瞑って言った。
「うん……返しに来るよ…。」
本当にそんな未来がくればいいのに。
今回の回帰が始まった頃より大切な人達が増えてしまった。
もう死んでもいいと思うにはその人達への気持ちが膨れ過ぎて涙が出る。
「仁美…抱いてええ?」
これからも、会いたくなったら会いに行くし、キスをしたくなったらしたいだけする。
直哉がわざわざ聞いてくる事にクスッと笑ってしまう。
「もちろんいいよ。」
貴方は私の真実の相手だから。
もう解呪の必要も、呪いの衝動も無いのに2人でキスをしてみた。
当たり前に舌を絡めると、ただ愛しいと言う気持ちでお互いの体を抱き合った。
仁美の体を布団に倒して着物を脱がしながら直哉は考えた。
これから仁美はどうするつもりなのか。
ただ分かる事は最後の時には自分の側に居ないと言うことだけだ。
それが1番辛いから、結局仁美には何も聞けないで彼女を抱くしか出来ないのだ。
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