【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第16章 異榻同夢※
この感情を20年間愛と呼んでいた事に苦笑しそうだ。
「……この先2度と貴方が私の死体を抱かないと誓う代わりに、五条さんも誓って下さい。」
もう聞きたく無い。
ぎゅっと目を瞑ってもその場から離れたいのに金縛りにあった様に体が動かない。
「どうか本当の愛を見つけて下さい。
縛りを解呪出来るのは……真実の愛みたいなので。」
仁美はそう言ってにっこり笑った。
まるで自分がソレを見つけて解呪出来たと知らしめる様に。
それだけ言うと仁美は悟に背を向けた。
離れていく仁美を悟は止められなかった。
悟が止めなかった事に仁美は安堵の笑みが漏れた。
良かった…。
本当に後は悟がかけた呪いを解呪するだけだ。
口角が上がった笑みを消して、仁美は目線を鋭く目の前の景色を睨んだ。
ソレは早く片付けないといけない。
私にはもう時間が無いから。
ー
ーー
ーーー
「……解呪出来たなぁ…。」
直哉と2人で模様が消えた腕を見ながら、眉間に皺を寄せた。
その結果に仁美はもう言葉が出なかった。
はぁ……。
直哉のため息にビクッと仁美の肩が反応した。
「…………ちくしょう……。」
漏れる様に出た直哉の声に仁美は現在を受け止める。
回帰の術式は解呪出来た。
「………しょうもない呪いかけやって…。」
まだ体の中に残っている呪いの残穢が伝えている。
回帰を解呪した結果、ソレによって繋がれていた命が代償だ。
どうやら最悪のパターンが結末だった様だ。
回帰の日に仁美の命は残った呪いによって奪われる様だ。