• テキストサイズ

【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】

第16章 異榻同夢※





















「顔色悪いよ。」

高専の休憩スペースに座っている悟に、硝子が声をかけた。

彼女から悟に声をかける事は珍しかった。

よっぽど自分が酷い顔をしているのだろう。

「……最近寝てないから…。」

自分の顔をスリっと触りながら悟は呟いた。


最近の悟の奇行は硝子の耳にも入ってきている。

悟がおかしな事をやるのは結構日常的だが、こんなに危ういのは『久しぶり』だ。

学生の頃、傑との決別の後もしばらくは顔色が悪かったが。

逆にハッキリと自分のやる事が分かってからの悟は安定している様に思えた。

(あの時顔色の悪い夏油に、あんたは気遣いの言葉をかけてたっけ。)

今回は自分が声を掛けるべきだろうか。

そう一瞬だけ思って、硝子はフッと目を伏せた。

きっとそれは私の役目じゃ無い。



「……顔色悪いですねぇ、五条さん。」

2人の背後から仁美の声がした。

悟はゆっくり顔を上げると、いつもと変わらない仁美が自分を見下ろしていた。

「ご飯食べてますか?」

仁美の顔を見た瞬間に悟の手が伸びようとしているのが分かった。

その手を抑えたのもまた、悟の手だった。

仁美はその光景を見て目を細めた。

「……五条さん…。」

仁美はボソッと言って悟の耳に口を近付けた。

「後は魂の縛りを解呪するだけです。」

硝子に聞こえない様に、悟にだけ分かる声で仁美は言った。

「…私にはもう必要無いなので。」

そう言って仁美が離れた後の悟の顔を見て、硝子は顔を歪めた。

「……何か…余計に顔色悪くなってるけど…。」

まるで死体の様な顔色の悟に硝子は仁美を見た。

/ 360ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp