【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第16章 異榻同夢※
「……はっ……ふ…っ……。」
ベットのシーツをギュッと握り締める。
離れる仁美を押さえつけたくておかしくなりそうだ。
置いてきただけで。
「はぁ…はぁ…はぁ…。」
手放す事を宣言しただけで。
魂が千切れそうな位全身に痛みを与える。
「…はぁ…はー………。」
………魂の縛りを解呪すればすむ話だ…。
この苦痛に、焦りに、不安に飲み込まれて。
また仁美を腕の中に収めてしまう前に。
「…はっ…ははっ……。」
悟から乾いた笑い声が漏れた。
ポタポタッと汗がシーツに落ちた。
胸を抑えてそのままベットに顔を埋めながら荒い息を整える。
縛りを解呪なんて自分から出来ない。
仁美にはアレだけ大層な事を言ったのに。
きっと今頃泣いている仁美を思い浮かべて顔を歪める。
どうしても魂の解呪だけは出来ない。
回帰が解呪出来たらきっと仁美は他の男の所へ行く。
仁美が生きていけるならそれでもいいと思っているのに。
魂が裂ける痛みと引き換えにしてもこの呪いだけは手放せそうも無い。
いや。
もしかして…。
この痛みは縛りが解呪されそうな痛みなのかもしれない。
仁美が回帰の術式を解呪した。