【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第15章 真実の相手③※
何処かスッキリしている?
そう言う訳でも無い。
静かに悟の放った言葉を受け止めている。
そんな表情だった。
「凄いで悟くん、すぐに新しい女も受け入れてくれたで?」
夜直哉はスッと仁美の顔に触れて言った。
仁美が少し笑いながら目を伏せた。
「……何や?気に入れへんのか?」
気に入らないのは自分だった。
この愛想笑いも悟に綺麗にしてもらった着付けも。
自分のモノに手垢が付いた様に気に入らない。
直哉は仁美の帯紐を解くと仁美の着物を脱がせた。
悟が着飾った着物姿が目眩がする程美しかったから。
直哉の手を止める様に仁美はギュッと掴んだ。
「……うん…気に入らない……。」
仁美の声が震えていて、よく見たら掴まれている手も震えていた。
「…20年間私を離さなかった癖に………
……愛していなかった?
今さらごめんだなんて……。」
ぎゅうっと直哉の腕を掴んで仁美は頭を下げた。
ポタポタと手に仁美の涙が落ちるのを感じて、震えている仁美の肩をずっと見ていた。
悟から逃げる為に色々頑張ったのに。
実際に悟が離れていけば胸が締め付けられてこうして涙が出る。
それでも…。
あんまりじゃ無いか…。
愛していなかっと悟から言われてしまっては。
本当に私の20年は何だったのだろうか。
「っ他の女の人!?嫌よ!」
悟が自分から離れて幸せになって欲しいと願っていたはずなのに、それが現実になれば全然受け入れなれない。
ああ、執着と言うのはこんな気持ちなのか。
自分から手放すには平気なのに、悟から離され他の女の人を受け入れると聞いたら。
そんな事とうてい我慢出来ない。