【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第15章 真実の相手③※
せっかく身を引いてくれたのだから、その心意気を是非見せてもらいたい。
「ウチから良家の女五条家に行かすで、俺らの代で仲良うやろうや。」
目の前の悟が邪魔だった。
今すぐ仁美の視界から居なくなって欲しい。
「……………何でもいいよ……。」
それで仁美の呪いが解呪出来るなら何でもいい。
悟の言葉に直哉はにやけそうになる。
強気に出たり、どうでも良くなったり情緒が不安定だ。
こんな弱った悟も見たことが無い。
本当に仁美が絡んだ悟は、よく新しい姿を見せてくれる。
五条悟をここまで出来るのは世界でただ1人仁美だけだろう。
「オッケー、すぐに五条家に送るさかい仲良くやってなー。」
ポンと悟の肩を叩こうとしても悟に触れられなかった。
……仲良くなる気は無さそうだ…。
直哉は術式で触れなかった自分の手を黙って引っ込めた。
まぁこの位の悟の抵抗は可愛いモンだ。
さっさと禪院家を出る悟を見ながら直哉はため息を吐いた。
(はぁ……これで…。)
仁美の術式を解呪出来なかったら本当にただのピエロだ。
直哉は首を掻きながら離れに向かった。
仁美が泣き崩れているかと思った。
そうしていたら宥めるのは面倒くさいと、そんな気持ちでいた。
けど離れの庭から部屋の中に居る仁美を見て、そんな気持ちはすぐに消し飛んだ。
自分が選んだ着物を着て座っている仁美は今まで見たどんな女よりも綺麗で。
目を伏せたその表情が、ギュッと直哉の心臓を締め付ける様だった。
「……悟くん帰ったで。」
直哉が声を掛けると仁美は顔を上げた。
傷心に浸っている訳でも無さそうだ。