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【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】

第15章 真実の相手③※


凄い……。

心臓を抉り取られてズタズタに引き裂かれた様な痛みだ。

耳鳴りが酷くて仁美はその場で倒れそうになるのを必死に堪えた。


言いたい事だけ言って悟は背を向ける。

その背中を引き止める手も声も出なかった。

小さくなっていく悟の背中をただボーッと見ていた。









パチパチパチパチ。

拍手の音で悟は足を止めた。

「凄いなぁ悟くん、あそこまで言い切れるのは流石やな。」

「……………。」

「怖いさかいそんな睨まんといて、結構声大きかったで。」


いつもならイラッとする直哉の煽りにもたいして怒りが沸かなかった。




もうどうでもいい。



さっさとこの場を離れたい。

直哉に構っていても何もいい事なんて無い。

気持ちとは裏腹に直哉に手が伸びた。


「?!」

グッと直哉の襟元を掴んで自分に寄せた。

悟が見下ろしす目を見て、ゾクリと背中に悪寒が走った。

真夏なのにそこだけ空気が凍った様だ。

「……お前1人で気持ち良くなってんじゃねぇよ。」

低い声で悟がそう言うと、体が固まった様に動かなかった。

「仁美の術式が解呪出来なかったら、マジで禪院家潰すから。」

悟が本気でそう言っている事は分かる。

(あそこまで言うのも仁美の為って事かいな…。)

ああ、ため息が出るほどイライラする。

呪いを解呪する為に邪魔だったのは目の前の悟だったのに。

「……1人で気持ちようなったったのはどっちやで?」

直哉はパッと悟の手を払った。

よれた襟元を直すと直哉はあらためて悟を見た。


「なぁ悟くん、結婚してくれへん?」
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