【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第15章 真実の相手③※
仁美に出会う男はみんな仁美を愛していく。
それだけでも顔が歪みそうなのに。
悟を見て迎えに来たと確信した仁美は安堵のため息を吐いた。
その仁美の姿を見て悟は目の前が真っ暗になった。
……仁美が…
死ぬ…。
仁美にもう真実の愛に縋る気持ちが無いと分かり。
初めて悟は仁美の死の現実を受け止めた。
仁美が死ぬと言う気持ちはこんな気持ちなのか。
心臓が大きく波打って、その音が耳の鼓膜から脳に響き渡る。
背後から払いきれない恐怖が襲って来て。
真っ暗な視界の中で意識がなくなりそうだった。
仁美を殺すのは20年回いつだって悟の愛だった。
すうっと血の気が引いたのが分かり、悟は仁美に顔を向けた。
「……………。」
悟の表情がいつもと違うと分かり、仁美に不安な影が見える。
仁美と離れるのがもう無理で迎えに来たのだと思った。
なのに目の前の悟がそうでは無い様な気がして、無駄に心臓がドキドキと騒いだ。
「………直哉くん…席外してくれる?」
ゆっくりと低い声で悟が言うと、直哉は黙って仁美から手を離して離れから出て行った。
「……………。」
残された2人の間に沈黙が流れて、仁美は息を吸うのも辛かった。
しばらく悟は足元のにある着物や帯を見ていると、スッとそれに手を伸ばした。
「………着させてあげる…。」
直哉のお人形さんの様に身を任せていた仁美に、さっきは思わず手が出てしまった。