【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第15章 真実の相手③※
「あんた本気で解呪する気あるん?」
一向に術式が消えない仁美に、直哉は苛々しながら言った。
直哉だけの解呪出来て、これでは自分が一方的に仁美を好きみたいではないか。
「……努力はしてます…。」
仁美に顎を強く掴まれて、仁美は顔を顰めて答えた。
「努力ってなんや!頭くる!」
直哉が怒っている顔を見て、仁美は目を細める。
術式は確かに直哉が相手だと言っていて、体も反応するのに頭がそれを拒否する様だった。
訪れるかもしれない死も怖いが。
真実の相手だと教えられてもやっぱり。
悟がずっと胸の中に居て動かない。
少し荒っぽい所があるけど、直哉の事は嫌いじゃなかった。
悟と出会っていなくて、普通に出会っていたらきっと好きになっていたのだろう。
(……ああ、もう本当に諦めよう。)
今世では悟以上に愛せる人が居なかった。
それでいい。
後は残りの時間を傑と過ごすだけで充分だ。
そう考えて仁美は目を閉じた。
そして傑もまた回帰をしたら仁美の事は忘れるのだろう。
その繰り返しの回帰で永遠に悟と過ごす日々を繰り返すのだ。
もうそれでいいじゃないか。
報われない努力に疲労するのはもう限界だ。
「あんた薬でもやってんねん?」
情事の最中と終わった後の態度が全然違う。
キスをすれば自分から舌を入れて求めてくるくせに。
情事が終わり腕の中に収めていると何を考えているのかすら分からない表情でただ腕の中に居る。
直哉は裸の仁美にスルッと着物を掛けて言った。
仁美から見たら直哉だってそんなモノだった。