【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第15章 真実の相手③※
仁美が今世の様に色々な男に抱かれる位なら、自分の腕の中に置いて自分だけの愛で仁美が死ぬなら。
(きっと僕は満足する。)
そう答えが出る自分の欲望に嫌気がさして苦笑する。
だってそれはきっと愛じゃない。
そして仁美は20年間悟のその欲望に応えて、最後はいつも悟の腕の中に居たのだろう。
悟のその感情を愛だと信じて。
お互いが幸せだった結末のはずだったのに、仁美の心は何故か自分から離れた。
そして今世はハッキリ分かる。
仁美は最後の時に悟と居ようとはしていない。
悟はギュッと拳を握った。
仁美が逃げれば逃げる程追いかけて捕まえたくなる。
どんなにそれが愛だと囁いても、あの術式はそれを認めない。
もしこれで直哉が仁美の術式を解呪して、真実の愛が直哉だと言うなら自分が今まで仁美にしてきた事は何だったのだろう。
「…先生。」
申し訳なさそうな憂太の声で悟は思想の世界から現実に戻る。
機嫌を伺う様に自分を見る憂太に、悟は目隠しをしてその顔を隠した。
「……戻ろうか。」
自分の生徒にそんな顔をさせてしまう罪悪感はまだあった。
いつから自分はこんな人間になったのだろか。
仁美が居ない日常はただ息をしているだけの日々にしか感じなかった。
ああもう…考えるのも面倒くさい。
やはり取りに戻ろう。
あの体も心も収めるのは自分でしか許せない。
幸いな事に仁美の愛はまだ自分にある。
今世も同じ様に愛し合ってそれを繰り返すだけだ。
他には何も要らない。