【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第15章 真実の相手③※
『私は五条さんの前に自分から現れません。
だから五条さんもコレから私が何をしても、無視して放っておいて下さい。』
初めて仁美に会った日の事を夢に見て目が覚めた。
あの日から僕の仁美への執着は始まった。
悟はゆっくり体を起こすと、薄っすら目を開けてまだ夜が明けていないのを確認した。
直哉の元へ仁美を置いて来てからしばらくまともに寝れてない。
不思議な事に仁美が側に居なければ冷静に状況を考えれる思考が持てた。
それでも沸き起こる苛立ちは抑える事が難しく私生活には影響が出てた。
「…先生…僕の同伴なんだよね…。」
憂太はさっさと上級呪霊を祓った悟に怖々聞いた。
悟が機嫌が悪いのはすぐ分かる。
司令にあった呪霊だけで無く、その日悟は一人で六本木中の呪霊を祓った。
帳を広く下ろした時点で変だと思っていたがここまでやるとは思っていなかった。
「……どうせまたすぐに沸いてくる。」
祓っても祓ってもその繰り返しだ。
それでも仁美が側に居ない虚無感は晴れなかった。
この苛立ちと虚無感を解消する術は分かっている。
さっさと仁美を自分の元に連れて来ればいいのだ。
仁美を抱き締めて彼女の体を貪って、自分の欲望だけに忠実に行動すればいい。
だけどその後は?
回帰をして魂の無くなった仁美の体を手に入れれば満足なのだろうか。
いつもそこで思考が止まる。
悟もまた自分の感情が呪いの衝動なのか自身の気持ちなのか分からなくなってきた。
いっそ魂の縛りを解呪して彼女の呪いが解ければこの気持ちに答えが出るのだろうか。