【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第14章 真実の相手②※
禪院家の離れに戻っても直哉の姿が無かった。
その原因が昨日の直哉の口ぶりからして直毘人による扱きなのだと分かった。
仁美はギュッと拳を握って母屋を見た。
禪院家に来てからは母屋には顔を出した事はない。
ここの人達に会っても仁美は居ない人の様に扱われている。
たまに直哉の術式を奪った人物として刺すような視線を浴びせられる事はあった。
仁美は真っ直ぐに前を向き母屋に向かう。
「直哉さんは何処に居ますか?」
同じ様な袴を着ている男性に声を掛ける。
「……自分の部屋に居ますよ…。」
その場所を聞いているのだ。
その男性はそれだけ言うと、さっさと歩いて行ってしまった。
仁美はため息を吐いて他の人を探す。
「直哉さんの部屋は何処ですか?」
今度は着物姿の女性に声を掛けてみた。
彼女はチラッと仁美が手に持っている薬箱を見た。
「………こちらです…。」
冷たい声だったが案内はしてくれた。
しばらく女性に着いて行くと先の部屋で直哉の声がした。
「はぁっ!クソ痛いわボケ!覚えておけやカス共!!」
直哉の怒りが襖を通してこちらまで伝わってきた。
襖の前に案内されると、女性は黙ってそのまま行ってしまった。
仁美ははぁとため息を吐くと襖をスッと開けた。
人が入って来た気配に、直哉はうつ伏せになっていた状態でギロっと襖を睨んだ。
「………怖いから…。」
普通に殺されそうな殺気に当てられて仁美は眉を顰めた。
入って来たのが仁美だと確認すると、直哉は大きくため息を吐いた。
「…今めっちゃ気分が悪いねん、さっさと離れに戻れや。」