【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第14章 真実の相手②※
どうやって?
そんな事を聞かなくても、傑はきっと駆けつけてくれる。
今日こうしてすぐに来てくれた様に。
「……傑……。」
傑が居たから今世はどんな絶望も耐えられた。
あの日、初めて会った時から変わらない傑の笑顔に、簡単に虜になった。
優しく触れてくる傑の手はあの時から何も変わらない。
「…大丈夫だよ…。」
傑が大丈夫と言う度に本当に何とかなりそうな気がする。
「君を愛さない男なんていないから。」
傑の宥める言葉に仁美はふっと笑ってしまった。
そんな事あるはず無いのに。
馬鹿げた慰めすら涙が出るほど心から安心出来る。
「だから仁美は何も気にしないで、自分が生きる事だけ考えてくれ。」
傑の唇が頬や唇に軽く触れてくる。
その心地よさに仁美は目を瞑って傑の唇の感触を感じていた。
本当にそう思うんだ。
『五条悟が、私を愛さない為に。』
真剣な目で馬鹿げた事を言う仁美に呆れながら。
彼女の言う通り悟は仁美を愛すると思った。
生きる事に真剣なのに破天荒で。
官能的な。
『君に夢中になりそうだよ…。』
初めて見た時からとっくに夢中になっていた。
『……いらっしゃい。』
不安そうな顔の中に、微かな希望を持って、縋る様にそう言った傑を見上げていた。
例え自分が彼女の真実の愛では無くても。
愛している。
その言葉を君に伝えたら、君はどんな顔をするだろうか。
「……仁美…。」
傑はスッと顔を仁美の首元に近付ける。
その傑を止める様に肩に仁美の手が置かれた。