【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第14章 真実の相手②※
「そんな事は考えなくていいから、君はまず自分が呪いを解呪する事を1番に考えてくれないか?」
仁美の頭を抱く傑の手の力が強くなった。
それは傑の切実な願いだ。
傑の言葉を聞いて仁美はギュッと目を瞑った。
「……楽なの…………。
期待して結局駄目でその現実を受け止めるのは………もうしんどい…。
それなら初めから期待しないで死ぬ方が………気持ちが楽……。」
20年間この呪いに付き合わされた。
その度に期待して回帰を繰り返して……。
今世も沢山期待した。
その度に結果に打ちのめされて………。
もうあんな思いはしたくない。
今回も死んでしまう選択が常に付き纏う。
もし最悪解呪出来た途端に死んでしまったら、2度と悟にも傑にも会えないままだ。
仁美は息を吐いて傑の首に腕を巻き付けた。
「………もうこのまま傑と一緒に居たい……。」
回帰しても死ぬにしてもその時に誰も居ないのは耐えられそうに無い。
傑は仁美の言葉を聞いて、彼女の辛さに心を痛めた。
それでも頑張れと仁美に言いたい。
だけれども、こんな気持ちになるまで今まで頑張ってきた仁美にこれ以上その言葉を掛けるの事が出来なかった。
「……大丈夫だよ… 仁美…。」
傑は仁美の閉じている瞼にキスをしながら言った。
「その時は何処に居ても仁美の場所まで飛んで来るから…。」
その瞬間がきてしまうなら、絶対に仁美を1人にしない。
傑の唇が瞼から頰に移動して、やっと仁美の唇に触れる。
仁美はそっと目を開けて、自分にキスをしてくる傑の顔を見た。