【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第14章 真実の相手②※
「着物も似合うね。」
そういつもの笑顔で傑は仁美に言った。
相変わらず人里離れた場所に案内されて久しぶりの再会を果たす。
仁美も笑顔で傑に抱き付くといつもの腕が彼女を包んだ。
はぁと大きく息を吐いて久しぶりの傑の匂いを堪能する。
「状況は?」
あまり長く時間を取れない事が分かっている傑の言葉に仁美は少し淋しそうに笑みを浮かべる。
「…着物の着付け覚えようと思ってたけど、直哉さんは袴だった。」
「…………どこの直哉?」
「禪院家の直哉さん。」
「……………彼か……。」
なんだか傑が頭を抱えはじめた。
まぁ直哉は癖がありそうだからこの反応も無理ないかと仁美は納得する。
仁美は直哉と会って自分と彼に起きた事を傑に話した。
「…………見つかったんだ。」
複雑な顔をして傑は呟く様に言った。
見つかって良かったと安堵した気持ちと、やはり悟でも自分でも無かったと言う複雑な気持ちが入り組んだ。
それより気になるのは、ずっと探していた相手が見つかったのに嬉しそうに見えない仁美だった。
今世でも沢山挫折を経験して、今の仁美には初めて会った時の様に、絶対に生き延びたいと言う思いは薄くなっている様に感じた。
それが傑を不安にさせる。
きっと危険を加味してもこのタイミングで自分に会いに来た理由は、仁美自身の不安をぶつけに来たのだろう。
さっきから何度も顔を傑の胸に顔を擦り付けてきて傑を確かめる様に抱きしめ直す。
「……直哉さんの呪いだけでも解呪しないと…。」
そう呟く仁美に傑は顔を顰める。