【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第2章 不思議な女※
「それに、傑は私に夢中になりそうだと、抱きながら言ってました。」
仁美は心の中で、情事の内容をバラした事を、傑に謝る。
何としても、悟の尋問を回避したい。
仁美は悟には興味が無いことを、伝える事を優先した。
「…傑が君を抱いただと?」
仁美の言葉に、悟の声が一段と低くなる。
仁美は全身の毛が逆立つ様な感覚に襲われた。
グッと悟が仁美の肩を掴み、顔を近づけた。
「傑がこの服の下を見たかと聞いてるんだ、上條仁美。」
明らかに怒りの表情で、悟は仁美を睨んだ。
(この人何で怒ってるの?)
仁美は悟の威圧的な態度に、顔を青くする。
嫌われるなら分かるのに、怒られる理由が分からない。
別に恋人同士でも無ければ、悟は仁美に恋愛感情を持っていない。
20年間、悟と恋愛してきたのだ。
彼のその表情や態度は誰よりも知っている。
なのに、今は知らない悟が、目の前に居る。
それが激しく仁美を困惑させる。
「…何故、五条さんが怒るんですか?」
「…怒ってる?僕が?」
仁美の言葉に、悟は気が付いていない様な疑問の声をあげる。
考える悟に、仁美の頭の中は色々整理しないと追いつかない。
取り敢えず、悟を知っていると言う尋問は回避出来たようだ。
仁美はチラッと悟を見て、様子を伺った。
「……………。」
悟は目を細めて仁美を見下ろすと、グッと仁美の顎を掴んで、親指を口の中に入れた。
「?!」
コレは情事の前に、悟がキスをしたい時に、よく仁美にしていた行為だ。
勿論こんな乱暴で無く、甘い時間を過ごしている時に悟がねだる様にしていた。