【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第2章 不思議な女※
「そして、あの呪霊…。」
悟は目を細めて仁美を見た。
強気な目を悟に向けているが、内心動揺しているのは分かった。
「君よりはるかに強い呪霊に、最初は上手く対応していた、まるで動きが分かっていた様に…。」
仁美の眉が少し動くのが分かった。
悟がやはり、あの場所に過去と変わりないタイミングで居た様だ。
本来なら助けたであろうタイミングに、傑の残穢を纏った仁美に冷静になり、観察をしていた。
「呪霊の攻撃が当たった時、予想外の事が起きた様な顔をしたね…。」
仁美の心臓が、ドクンドクンと大きく響いて来た。
仁美は動揺を顔に出ない様に、ぎゅっと目を顰めた。
「まるで、僕が来るのが分かってて、当てが外れた様に…。」
相変わらず悟は目敏い。
仁美はため息が出るのを我慢して、苦笑いしか出来ない。
悟は仁美の1つ1つの表情を確認していた。
あの呪霊に殺される直前、目の前の女は笑っていた。
まるで、ずっと求めていた宝物を見つけた様な、凄く幸せそうな顔で。
殺されると言うのに。
悟は目をぎゅっと顰めた。
「君は僕を知っていて、ワザと知らないふりをしている様だ…。」
悟の言葉に吐きそうになる。
何故こんなにも仁美に対して敏感なのだろうか。
仁美はパッと悟の手を払った。
「…変なイチャモン付けないで下さい。
こうして五条さんに会って、話をするのは初めてです。」
そう言って仁美は、キッと悟を睨んだ。
悟は払われた手に一瞬驚いたが、すぐにまた表情を戻して仁美を見下ろした。