【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第13章 真実の相手※
「…………。」
無言で見てくる悟に笑顔が引き攣りそうだ。
「…… 仁美…真面目にやろうね………余計な事は考えないで呪いを解呪する事だけ考えて…。」
悟を不安にさせる原因はいつも仁美の頭の中にある。
彼女は何かを隠している。
それは到底悟が容認出来ない事だろう。
もしまだ自分を避けて逃げる事を考えているなら。
そんな事は無理だとじっくり仁美に教える必要がある。
少しも笑わずに仁美を見る悟の表情に背筋が凍りそうだ。
悟の事は後から考えるとして、今は舞い降りてきたこのチャンスを掴む事だけ考えよう。
仁美はゆっくり目を瞑った。
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「………それ…生きてるん?」
悟に呼ばれて部屋の中に入ってみれば、ベットにシーツでグルグルに巻かれて死んだ様に寝ている仁美を指差して直哉は言った。
(寝てるやんな?ほんまに…。)
一瞬死体を渡されるのかと思った。
悟が直哉に仁美を渡すのが嫌で彼女を殺してしまったのかと。
昨日から直哉の悟のイメージはそんな感じになってしまっている。
「…… 仁美が自分から直哉くんの所に行く姿なんて見たく無かったから…。」
「え?それで殺したん?」
「…………寝かしてるだけだよ…。」
悟に言われて直哉はそっと仁美に近付いた。
仁美の肩が小さく上下しているのを見て、直哉はホッとした。
どんなに美人でも流石に死体は要らない。
直哉が近付いただけで悟の眉が動いた。
「あのさぁ…俺が慈善事業でこんなあほげた事に協力するって言うてる思てる?」
直哉はため息を吐きながら頭を掻いて悟に言った。