【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第12章 迷走ランデブー※
「…………。」
直哉はヒビ割れたコーヒーカップを見てから、悟に目線を移動させた。
「…そんなギラギラの悟くん見るの、久しぶりやなぁ。」
まるで学生の頃の悟を見ている様で、懐かしさに目を細めた。
随分と丸くなったと思ってたけど、まだ突ける事が悟にあると分かると、直哉は面白くてしょうがない。
「隣のお嬢さんが固まってんで。」
隣の悟の怒気に当てられて、仁美は顔を真っ青にして固まっていた。
少しでも動いていたら自分もコーヒーカップの様になりそうで、指一本動かせない。
悟は仁美を見ると自分の頭をクシャッと掴んで、荒い深呼吸をした。
「真実の愛って何すればええの?結婚式挙げて初夜迎えればええ?」
「……結婚式を挙げれる新郎側の禪院家が無くなってなければね…。」
悟の言葉に今度は直哉がため息を吐く。
「…悟くんは彼女にどうなって欲しいの?」
今度は呆れたように直哉がため息を吐いた。
悟は随分と我慢しているようで、グッと握られている拳がそれを物語っていた。
「……………。」
仁美はスッと悟の拳を見てから、目を伏せたまま言った。
「……形式じゃなくて、愛し合えばいいんだと思う。直哉さんと私が…。」
仁美の手を同じ様にギュッと握られた。
「俺は美人さんやったら心底愛せるで。」
そう笑って言う直哉に仁美の目がジトッと細くなる。
自分の真実の愛はこんなに軽かったのか…。
少し不安になった。
「もう僕と仁美以外の人間居なくなればそれで済むんじゃ無いか?」
そんな究極の選択もまた欲しく無い。
悟の言葉に直哉ははっと笑った。