【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第12章 迷走ランデブー※
「悟君当主になったんやってね。おめでとう。」
「………ありがとう。」
随分と前だが。
2人は知り合いの様だが頻繁に会う仲では無い様だ。
笑って悟に話しかけているけど、何でか少し緊張した空気になった。
悟は直哉を見下ろしてフッと笑った。
「直哉君は直毘人さんがまだ現役だから、遠慮してるの?」
悟がそう言って笑うと、直哉の笑顔が少し固くなった。
悟の背中越しから直哉の表情がよく見えなくて、仁美は少し体をずらして直哉を見た。
(……この人が御三家の一角の禪院家の人か…。)
悟の言葉に棘を感じて、あまり仲良くないのかと伺う様に直哉を見る。
生徒達との距離も離れていき、仁美はこの場に悟を残して先に行こうとした。
直哉が仁美を見つけると、パッと顔を明るくする。
「東京校の先生?」
仁美を見つけて、直哉がズイッと体を近付けて来た。
「すごく可愛いね、名前は何て言うん?」
直哉との距離が近くなり、仁美は咄嗟に後ろに下がった。
その仁美の肩を悟が掴んだ。
「……可愛いのは分かるけど、ナンパしないでね。」
悟は後ろから仁美の顔の横に顔を近付けて直哉に完成した。
直哉を見る悟のその目に、直哉はフッと笑った。
「何?悟君の彼女?」
先程よりも直哉の仁美への興味の色が濃くなった。
「……そうそう、それ以上近寄らないでね…。」
悟はぎゅっと仁美を自分に寄せる。
「僕嫉妬深いから。」
そう笑って直哉を見下ろすと、先に歩いている真希が悟達を呼んだ。
「先生〜!」
悟は直哉越しに真希を見ると、スッと仁美の肩を離した。