【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第12章 迷走ランデブー※
空気の悪い部屋を出て、憂太達と合流する。
折本里香を出してしまった事に、憂太はかなり落ち込んでいた。
彼を慰めながら仁美は部屋に残ってた悟を思う。
憂太がまだ折本里香を懐柔し出来ていたい事で、悟は今聞きたく無い小言を聞いているのだろう。
憂太の方は真希達に任せていれば大丈夫そうだ。
結局、憂太に接近した為に入った高専内だが、こうして若い術師に接していれば情は湧く。
仁美は傑の作戦を考えながら、その光景に目を細める。
皆んなが一生懸命に生活しているこの世界で、やはり自分だけが異質な存在に感じた。
自分が20回も死んで麻痺しているのだろう。
今世で憂太が傑に殺させれて、傑と2人で生き延びる願いに。
罪悪感はとても薄かった。
「仁美、女子会はまた今度ね。」
予想外の出来事に歌姫の仕事が増えた。
悲しいと思いながらも、もう昔の気持ちの様に歌姫と話せないなら、ちょうど良かったのかもしれないと思えた。
ー歌姫先輩元気でいて下さい。
「またすぐに会いましょうね。」
本当に伝えたい事は伝えられずに、仁美は表面的な挨拶だけを歌姫にする。
それでも20年ぶりに会えた歌姫に目尻が下がったのは間違い無い。
悟が合流するのを待って、仁美達は京都校を出た。
「懐かしいなぁ交流会。」
急にかけられた声に一斉にその報告を見た。
こちらを見て、笑顔で話しかけてきた人物。
特別1級呪術師の禪院直哉だ。
傑同様、回帰前では会った事の無い新しい登場人物に仁美は目を細めた。
フラッと来た直哉の目当ては悟なのだろう。
こちらに向かって来ると、悟の前に立った。