【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第12章 迷走ランデブー※
悟はぎゅっと拳を握った。
「……僕に会う前に傑に会いに行ったのは、ワザと?」
見下ろしている仁美の肩がスッと下りた。
「……悟に嫌われようと思って。」
仁美の言葉に悟は目を細めた。
本当に余計な事をしたと、仁美のつむじを見ながら思った。
結局はこうして愛してしまって、複雑になっただけだ。
でもよく分かっている。
本当に20年間、ずっと僕を見てくれていたようだ。
「… 仁美…僕らは…。」
何で普通に愛し合えないのだろう。
理不尽だ。
無理矢理側に居させても、結局回帰が起きれば手の中に残るのは魂の無い仁美の死体だけだ。
現実で仁美と結ばれる事は無い。
「悟には五条悟として五条先生として、私を愛さなくても今世では幸せで居てほしかった。」
へー…。
今となっては余計なお世話だ。
でも…。
仁美が僕を愛していたのはよく分かった。
「…僕も20年仁美と居たら、そう思える様になるかな?」
今はまだ全然そんな事思えなくて、想像も出来ないけど。
まだ顔は上げてくれないけど、仁美を抱きしめてみた。
今度は振り払われなかった。
「………悟は無理だと思う。」
ーーーーーよくご存知で。
自分でもそう思う。
何回回帰しても仁美しか愛さないと自分は誓えるのに。
本当に仁美は…
「薄情だな…。」
僕を愛さないなんて選択がある事自体酷い話だ。
そう呟いた悟の声を聞いて、仁美は悟の胸に顔を埋めた。