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【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】

第2章 不思議な女※


不思議な感じだった。

悟と同じ空間に居て、彼が仁美と目を合わせない時間なんて無かった。

いつも仁美が側に居れば、飽きるほどその顔を見続ける様な人だった。

こんな風に、お互いに背を向けて過ごす時間は20年間初めての事だった。

悟と恋愛しかした事が無かったので、自分に恋愛感情が無い悟との距離感がまだ馴染めない。

「……着いたよ…。」

悟が仁美を呼んだ時、仁美はウトウトとして寝てしまっていた。

起きたら、急に腕に激痛が走った。

悟との再会で、興奮していたのか、今更痛みがぶり返して来た。

骨折をしたのは初めてだった。

足も、もしかしたら折れているかもしれない。

仁美は顔を顰めて立ち上がった。

フワッと悟が仁美を抱き上げた。

「っ自分で…「歩けないだろ。」」

被せる様に悟が言った。

悟は気が付いていたが、足首にヒビが入っている。

我慢して歩く仁美を見て、悟は思わず手が出た。

悟がこう言ったら、何を言っても仁美を下ろす事は無いと分かっている。

無駄な会話はしたくない。

仁美は黙って悟に従った。

「折れただけだから、すぐによくなるよ〜。」

相変わらず目の下にクマを使っている硝子が仁美に反転術式をつかってくれた。

「……あんた、何やってるの?」

硝子が困惑した顔で、低い声で言った。

悟は硝子の前に座って、診療を受け終わった仁美の頭を撫でていた。

「!!」

それはいつも当たり前の様に仁美にする行動で、仁美も慣れた悟の行動に違和感が無かった。

「そ、そうですよ!やめて下さい!」

慌てて仁美は、悟の手を払った。
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