【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第11章 自暴自棄※
「僕は仁美が回帰しない為に引いたんだ。」
悟の手がそっと瞼に触れた。
目を開けろと言っている様だった。
触れられている手は優しいのに、悟が仁美に向ける負の感情に押しつぶされそうだ。
目を瞑っていても、悟の顔が近くにあるのが、彼の声の距離と微かに掠れる鼻先で分かった。
仁美は薄っすら目を開けて悟を見た。
「誰が傑に抱かれていいって言った?」
ギュウッと心臓が鷲掴みにされた様に痛んだ。
止まるかと思った心臓に、また息が出来なくなる。
悟の親指が、瞼から頬に移動して仁美の唇に触れた。
「!?っ…………はっ………ぁ……。」
グッと悟の親指が口の中に入ってきて、軽い息を吐いた。
悟は目を細めて、自分の指に絡まる仁美の舌を見ていた。
ゆっくり顔を近づけて、開いている仁美の唇の中に悟は舌を入れた。
「ちゅ…ちゅっ、くちゅっ…んん…はぁ…ちゅっ…。」
悟は仁美の唇を堪能する様に何度も何度も唇を押し付ける。
「…あっ…はぁ…はぁ…はぁ……。」
やっと悟の唇が離れて、仁美は肺に空気を思い切り入れる。
「……僕が教えたキスで、傑を喜ばせてきたのか?」
横を向いた仁美の顔を、再度自分の方に向ける。
「……………。」
仁美は何も言わないで、肩で息をしながら悟を見上げた。
再度覆い被さってきた悟の胸に腕を当てて、仁美は悟を止めた。
「……悟……。」
恐怖で仁美の声が震えていた。
仁美が悟を止めたのは、怖がっているからだと分かる。
なのに自分だけを拒否されている様な気分になり、悟の感情がブァッと溢れた。