【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第11章 自暴自棄※
「……傑は真実の相手じゃ無いだろ?」
仁美の腕を払って、悟はズイッと仁美の顔に近づけた。
瞬き一つしない悟の目が、仁美の目を覗いている。
「傑が好きなの?」
仁美は浅い息を肩でしながら、首を振った。
「……おかしいね、仁美。」
悟は仁美の顔を両手で覆った。
「嘘ついてるね。」
スッと青白い、無表情の悟が仁美を捉える。
はぁ…はぁ…はぁ…。
仁美は何度も息を吐き、涙がジワっと出た。
嘘がバレれば殺される。
そう思った。
「…何で泣いているの?仁美?僕は君を虐めてる?」
キョトンとした顔で、悟は仁美に聞いた。
ちゅっと悟が仁美にキスをする。
悟の手が肩に触れて、スルッと仁美の肩を出した。
「…ゔっ…。」
ガブッと悟は仁美の肩に噛み付いた。
悟の痕は血が滲むほどくっきりと残っていた。
「…ああ、聞いてなかった…。」
悟は頭を上げると、震えている仁美の顔を再び見た。
「真実の相手じゃ無い傑に抱かれに行ったの?」
悟の目に震えながらも、嘘を吐くことすら出来なくなっていた。
「……はい…。」
ドクン、ドクンと、心臓が高鳴った。
悟の目が細くなると、仁美は再び目をぎゅっと瞑った。
「…傑が好きなの?」
仁美の手がぎゅっと悟の腕を掴んだ。
命を懇願する様に。
ゆっくりと、仁美の唇が開くのを見て。
悟はその震えた唇にキスをする。
「…ゔぅっ。」
苦しそうな仁美の声が聞こえても、悟は唇を離さなかった。
今この唇は『好きだと』そう伝えようとしていた。