【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第11章 自暴自棄※
「傑…百鬼夜行の後、日本を出るルートを確保して。」
悟から逃げる為に、今から用意しなければならない。
仁美はぎゅっと傑を抱き締めた。
「……2人分でいいか?」
そんなの…。
「当たり前じゃない。」
仁美はそう言って傑にキスをする。
傑の手が仁美の涙を拭う様に頬に触れた。
「…酷いな、今世は悟の変わりに私に見送れと?」
傑の言葉に仁美はニッコリ笑った。
本当は、傑を生かしたい為だ。
自分の生きる道が無いのなら、せめて傑だけでも今世は生きてて欲しい。
「傑は呪いかけないでね。」
揶揄う様に仁美は傑の顔を両手で触れながら言った。
「……それは自信無いな…。」
実際に仁美の死ぬ瞬間を見たら、自分も呪いをかけそうだ。
その時は悟の気持ちが分かるだろうか。
自分の信念も立場も無視して、仁美だけを求めるのだろうか。
仁美の頭を掴んで彼女にキスをしながら、傑はそんな事を思った。
そしてその後すぐに、傑は高専に。
悟にその存在を現した。
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棘と憂太の仕事の現場に、傑の残穢を悟が確認した。
そんな事は全く知らないで、仁美は寝ていた。
窓を開けて寝るには丁度良い季節だった。
「…ん…。」
仁美は浅い眠りからフッと目を開けた。
「?!」
仁美が目を開けて見たのは、真っ暗な部屋の中、月の逆光で暗く見える人影の。
綺麗なアクアマリンの目が仁美をジッと見ていた。
それが悟だと気付くのに酷く時間を使った。
悟の目に心臓が爆発する位に激しく鼓動して。
冷や汗がブァッと全身の毛穴から出た様だった。