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【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】

第11章 自暴自棄※


そんな悟が自身の欲望の為に仁美を呪ったと?

分からない。

今、悟は何を考えているんだろう。

「…悟が呪ったのは、気が付いてたの?」

あまり驚かない傑に仁美は聞いた。

「…いや、確証は無かった。」

傑の目を見て、彼が嘘を付いていないと思った。

仁美は目を伏せて、続きの言葉を言った。

「悟は魂も縛ったから、私が死ねば悟も死ぬし、悟が死ねば仁美も死ぬ。」

流石にその言葉には傑は驚いた。

「…悟はそんな事しない。」

傑から出た言葉に、仁美は驚いて顔を上げた。

そこには、仁美が見た事無い、傑の顔があった。

仁美は目を見開いて傑を見る。

「…そうだよ…ね…。」

その目からポロポロと涙が出た。

「…悟は…そんな事しない……。」

仁美の涙を見て、傑は目を顰めた。

仁美は知っている、悟が自分の力をどんな風に思っているのか。

呪術界を背負うほどの力を持ち、常に冷静にこの世界の状況を見ていた。

そこには、誰かに傾く様な思想は無く、ただ自分の思った通りに。

それが間違い無い道だと、傑が呪術師の頃に見せてくれた正解を目を瞑って思い浮かべながら。

1人で孤高に立っている様な人だった。

優しさの裏の、そんな孤独な部分に触れさせて貰えた時に。

仁美はずっとこの人の側に居ようと思ったんだ。

例え傑の変わりにならなくても、2度と彼に孤独を感じさせない様に。

だから間違い無く、間違えたのは悟では無くて、自分なのだ。

「…私が悟にそんな事をさせた…。」

この世界に、悟の周りの人達の為に、悟を返したいと言いながら。

そんな状況を作ったのは、間違い無く仁美だ。

悟…謝るのは私の方だ。
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