【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第11章 自暴自棄※
「……傑…大丈夫?」
久しぶりに会った傑の顔色が悪い。
百鬼夜行の為に、追い込みの様に呪霊を取り込んでいる様だ。
仁美は傑の頬に手を当てて、彼の顔を覗き込んだ。
仁美と目が合うと、傑はニコッと笑った。
しばらく傑と過ごして分かった事は、傑は呪霊を取り込むと食欲がなくなるほど気力が落ちる。
笑っている傑が痛々しくて、仁美は目を細めた。
「仁美がしばらく会いに来てくれなかったから。」
冗談ぽく言う傑に、仁美は眉を下げる。
悟と同じ位に、今世で助けたい人。
仁美は大切な傑をぎゅっと抱き締めた。
「着物じゃ気苦しくない?」
仁美は笑いながら、傑の着物を解いていく。
「はは、来てすぐそれ?話があるんじゃないの?」
傑のその言葉を聞いて、少し寂しくなった。
「……積もる話もあるし、頼みたい事だってあるよ。」
目を伏せたままそう言う仁美を、傑は黙って見ていた。
ぎゅっと傑の着物を握りしめた。
「だけど、会いたいから来たんだよ。」
悲しそうに言う仁美を見て、傑も目を細める。
「うん…私も会いたかった…。」
傑の言葉に仁美は顔を上げて彼の目を見た。
始めて会った時と同じ、優しい目をして仁美を見ている。
「…傑…やっぱり着物脱ごう?」
仁美は笑いながら傑にキスをする。
「じゃあ場所を変えないと。」
そう言って、傑は仁美を抱き抱える。
悟といい、傑といい、2人とも仁美に歩かせない。
移動している間も腕の中に居る仁美にキスをする為だ。