【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第11章 自暴自棄※
「仁美回帰の日にちは?」
「2月20日。」
本当は13日だ。
嘘を吐いたのは勿論、悟から逃げる為だ。
笑みを崩さず悟の顔を見て言った。
悟がその日付を信用したのか、その表情から確認出来ない。
「その日に回帰したら、今世の仁美は死ぬの?」
悟の質問に仁美は首を傾げた。
そう言えば、回帰前の自分の体はどうなるのだろうか。
普通に考えたらそうなるのだろう。
「その後の僕はやっぱり死ぬのかな。」
「………そうなの?」
仁美はいつも今際の際に悟の顔を見ていない。
その時の悟はどんな顔をしていただろうか。
「魂は死んで無いから、悟は死んで無いと思うよ。」
「……そっちの方が地獄だな。」
なまじ魂を縛ってしまった為に、仁美の体が死んでも自分は死なない。
仁美の魂の無い体を抱いて、自分は何を思ったのだろうか。
そんな地獄を味わう位なら、自分も仁美と一緒に回帰する呪いをかけた方が合理的だ。
何故仁美だけを回帰させたのだろうか。
分からない。
回帰前の自分はなぜ『そんな道』を選んだのだろう。
仁美を回帰させても魂だけは縛って。
悟はチラッと仁美を見た。
そこの解明は仁美の記憶が頼りだが、仁美は何も知らなさそうだ。
今世でもし、その時に側に居たなら分かるだろうか。
生き地獄を選んだ自分の気持ちが。