【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第11章 自暴自棄※
その仁美の言葉は本心なのだろうか。
悟は仁美の横顔を見ながら、その心情を伺おうとする。
ーーーー分からない。
仁美と出会ってたった三か月。
彼女が回帰してから四ヶ月だ。
悟には三か月分の彼女の記憶しかない。
しかも、今世ではこんなにも離れて生活している。
仁美が自分と居ない時に何をしているのか、何を思っているのか。
他の男と会っているのか何も分からない。
「仁美、一緒に暮らしたい。」
「……いいよ。」
ソレは彼女に回帰しろと言っているモノだ。
あの日以来、仁美は悟の言葉に何でもYESと答える。
投げやりでも、自暴自棄でもなく、目を細めて笑って悟に答える。
「いい…言ってみただけ……。」
そうやって拳をぎゅっと握って堪える悟を見ても。
仁美はその笑みを崩さない。
いい様に手のひらで転がされている気分だ。
信用し過ぎだろう、いつかこの我慢に限界が来て仁美を監禁させるかもしれない。
それすらも分かって仁美は悟に笑顔を見せる。
「仁美…他の男なんて探さないで俺で終わりにして。」
結ばれた魂で、次の世界でまた出逢おう。
「…それもいいね。」
仁美は目を伏せながら笑って言った。
悟には生きていて欲しいと思いながら、本当は何度もその結末でも構わないと考えた事はある。
仁美は校庭に居る生徒達を遠目で見る。
それでもこうして、高専で生徒と一緒にいる悟を見れば。
やっぱりこの希少な男を独占して一緒に死なす事なんて出来ない。
自分と違ってこの世界には悟が必要だ。