【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第10章 今世の約束※
悟の顔が近くて、仁美は顔を隠す様に俯いた。
「ああ、ダメだって顔を隠さないで。」
すぐに悟によって顔を上げられる。
(…こんなの耐えられない。)
悟の顔を直視なんて出来るはずもなく、仁美は目を伏せた。
「…五条さん…今日はありがとうございました…帰ります…。」
腰を浮かせようとした仁美をグッと掴んだ。
「……帰らないでって言ったら、聞いてくれる?」
悟の顔がグッと近付いた。
「……何でですかっ?」
緊張と恥ずかしさでまた涙が出そうになった。
「…こんな気持ち…初めてなんだ…。」
悟はそう言って、仁美の手を取って自分の胸に押し付けた。
ありきたりな口説き文句に、簡単に胸が高鳴った。
(…随分と安いな…私…。)
そう思い目を伏せると、悟の胸を触っている手のひらから彼の鼓動が伝わった。
ドク、ドク、ドク。
と、自分の鼓動と間違えたのかと思うほど、悟の心臓も高鳴っていた。
ふと目を上げて、悟の顔を見た。
自分と同じくらい…それ以上に悟の顔も赤くなっていた。
不安そうに、仁美の答えを伺う様に悟は仁美を見ていた。
仁美は目頭が熱くなり、ぎゅっと目を顰めた。
泣きそうな仁美の顔に悟が慌てた。
「泣かないで仁美。」
悟がオロオロしながら、どうしたらいいのか困っている。
「…仁美はどんな男の人が好き?」
「…優しい人…です…。」
こんな風に、泣きそうになったら心配して、必死に気持ちを変えようとしてくれる人が好きだ。
「僕恋人には絶対優しいよ!怒鳴ったりも絶対しないし、喧嘩もしない!」
面倒になったら、そんな体力使う前に別れてたし。