【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第10章 今世の約束※
(ヤバイヤバイヤバイ!)
最悪だ、呪胎が変態して特級に成った。
対峙している特級呪霊を前に、仁美の足が震えた。
何が楽しいのか、笑いながらこっちに向かってくる呪霊に。
仁美は自身の死を覚悟した。
1ヶ月前に訳の分からない術師の術式をくらい。
頑張って真実の愛を探そうとしたら途端死亡フラグだ。
結局何しても死ぬ運命だったんだ。
呪霊が腕を動かしているのを見て仁美は目を閉じた。
フワッと体が浮いて、誰かの腕が体を包んだ。
「大丈夫?」
優しい声が聞こえた。
呪霊の呪力が木に当たり、その爆発音で仁美は薄っすら目を開けた。
「!」
目に入って来たのは、美しいアクアマリンの目をした白髪の男の人だった。
一瞬にして奪われたその視線に、目の前の男は嬉しそうににっこり笑った。
「やっぱり、君凄く綺麗だね。」
ニコニコ笑いながら、嬉しそうに仁美を眺めている男に仁美は動揺する。
「っあっあの!今…特級がっ!」
上手く回らない口にもどかしくも、今の状況を懸命に説明する。
「あっ、気が散る?ごめんごめん。」
一瞬にして特級を祓う姿を見て、仁美は確信した。
(五条悟だ!)
仁美は口元を両手で覆って、顔を真っ赤にする。
「あ、ごめん顔隠さないで、見えないから。」
悟は仁美の手を取ると、また見えた仁美の顔に満足そうに笑った。
(私今、五条悟にお姫様抱っこされてる?!)
自身の状況に気を失いそうだ。
「名前なんて言うの?術師成り立て?会った事無いよね。」
どんどん出てくる悟の問いかけに、頭が追いつかない。