【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第10章 今世の約束※
「……急に呼び出して何事かと思ったら、仁美は私を殺す気か…。」
冥冥が目を細めて笑いながら仁美に言った。
「冥さんにしか頼めないんです…こんな事…。」
仁美が行方をくらます為に、悟を翻弄して欲しいなんて…。
お金を積まれても冥冥ぐらいしか受けない依頼だろう。
そう言って仁美は自分のスマホを冥冥に渡した。
フッと笑って冥冥はそれを受け取る。
悟が仁美の居場所がすぐに分かるのは、スマホが怪しいと思っていた。
冥冥には悟に見つかるまで、仁美のスマホを使ってもらうつもりだ。
いくら悟でも相手が冥冥なら、そんな大それた事はしないだろう。
後は大きい駅は避けて、私鉄のみ出来るだけ遠くに移動しようと思った。
北か南か。
悟は何となく南を選びそうだ。
私は北に向かおうか。
「冥さん、よろしくお願いします!」
そう言って仁美は冥冥に手を振って歩き出した。
冥冥は仁美を笑顔で見送ると、スッと上げていた手を下ろした。
「……さて…五条君は本当にこちらに来るのかねぇ…。」
まぁ依頼主の頼みだ。
撹乱作業には付き合って上げよう。
「…憂憂…私だ、そう…今から出ておいて、買い物をしよう。」
そう言って仁美の依頼通り、彼女のスマホを使い込むのだ。
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平日は通勤時間時間さえ過ぎれば、東京を出たら人もまばらになる。
(……何回乗り換えたかな…。)
行き先も決めないで取り敢えず乗り換えたり、そのまま乗っていたり。
仁美はふぅっと、ため息を吐いて目を閉じた。
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