【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第1章 五条悟から逃れたい※
帳が降りた。
補助監督が降ろしたようだ。
もうすぐ特級がここに現れる。
そして、五条悟も。
仁美はギュッと拳を握った。
ガサッと音がして、その方向を見ると、人型ではあるが、目が幾つもあり、腕も4本あった。
変態したての呪霊が仁美の目の前に現れる。
(…最初にアレを見て、あの呪力を感じた時は、気を失いそうになった…。)
呪力の差に、今だに体は強張るが、見慣れたおかげで、あの時の絶望感は無い。
体もちゃんと動く。
何より悟が現れる事が分かっているのが大きかった。
最初の一撃は呪霊から。
仁美は『知っている』攻撃を避けて、木の上に飛び乗った。
木から水を吸い上げると、術式を呪霊に放つ。
バシンっ!と大きな音はしたが、やはり呪霊が祓われる事は無い。
驚かない、散々経験した瞬間だから。
次の呪霊の攻撃で、悟が現れる。
記憶と同じ様に、呪霊は木の上に向かっている仁美に襲いかかって来た。
反射的に避ける体勢になるも、悟が抱き上げて仁美を救う。
同じ通りの行動。
呪霊の術式を避けるも、微かに当たり、術式が木に当たった衝撃で、仁美が吹き飛んだ。
(ー…え?…)
地面に叩き付けられて、記憶に無い体の痛みに、混乱が走る。
(…私がこの体験で、怪我をした記憶は無い…。)
悟が現れていない。
ドクン、ドクンと心臓がは険しく鼓動するのが分かった。
夏油傑と会った事で、悟との出会いが無くなったのだろうか。
仁美はバッと呪霊を見た。
掠った術式で、腕が折れて、叩き付けられた負傷で足が動かない。
呪霊は、ニヤニヤと笑いながら、仁美のその光景を楽しんでいる様だった。