【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第1章 五条悟から逃れたい※
それは何度も体験した、高専からの連絡だった。
【特級仮想怨霊の受胎を確認】
特級に変態を遂げる前の呪霊の塊。
運悪く、仁美が到達した時には、特級に変態を遂げていた。
準1級の仁美が成し遂げられる案件では無かった。
そこに現れたのが、五条悟だった。
軽薄な雰囲気を醸し出して、鼻歌混じりで特級を祓った。
助け上げた仁美を腕に抱き上げて、悟は仁美を見ると、今生の恋人に会った様な笑顔で、仁美を見下ろした。
(…本当に、この回帰が無かったら、映画の様な出会いね。)
仁美は高専の服を着ると、補助監督の車に乗り込んだ。
空を見上げると、寒いのに晴れたいい天気だった。
運命の男と出会うには、絶好の日和だろう。
残念な事に、仁美の術式にとっては、頼りにならない天気だった。
(まぁ雨だとしても、アレには勝てないけど。)
死ぬ相手に会いに行くと分かっていても、仁美の顔は今日の天気の様に晴れやかだった。
(さぁ悟、また1年の始まりよ。)
今度ばかりは、自分が勝つ。
仁美は期待に胸を膨らませて、現場に向かった。
現場は、山の中をかなり車で走らせた場所だった。
周りに木があったのは、多少の助けにはなった。
仁美の術式は、加茂家相伝の赤血操術から派生した、【水天操術】だ。
仁美の体に触れている物から水を吸い出し、術式で攻撃する。
木や草でさえ水を蓄えているので、攻撃範囲が広がる。
周りに何も無い時は、自らの体内の水を使い攻撃する。
その為、常に水分補給が必要だ。
少量の水でも、十分に呪霊を祓える為、大量の水は必要ないが、勝手が悪い術式だと、仁美は思っている。