【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第9章 五条先生と副担任※
ああ、本当に貴方は。
何処までも私の絶望の未来だ。
目の前が真っ暗になる。
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術式は憂太に反応したモノじゃ無かった。
憂太は真実の相手じゃ無い。
病院で、真希と子供の安否を廊下で確認する。
彼がそうで無くて良かったと思う反面。
回帰の希望は全てスタート地点に戻り。
呪いまで加わって、仁美は虚無感に襲われていた。
ボーッと廊下を見つめながら、憂太と悟が話しているのが聞こえる。
「里香ちゃんが呪いをかけたんじゃなくて、僕が里香ちゃんに呪いをかけたのかもしれません。」
「コレは持論だけどね『愛ほど歪んだ呪いはないよ。』」
仁美は悟の言葉にそっと目を瞑った。
愛が呪いと言うなら。
私は永遠に回帰続けるのだろう。
もしかしたら、今世のこの悟も愛せると思った。
いや、愛している。
本当だ。
悟を愛していると思うほど、暖かい気持ちなんて湧かずに。
ただドス黒い感情が、術式の模様から体全体に広がっていく様だ。
ドロドロ、ドロドロ、ゆっくりと。
呪いが体を蝕んでいく。
仁美は顔を覆っていた手を離すと、何かに気が付いたように顔を上げた。
傑…。
今すぐ傑に会いたい。
突然思い出した傑の笑顔。
仁美は腰を上げて、長椅子から立ち上がった。
グッと仁美の腕を悟が掴んだ。
振り返って見上げた悟は、低い声で仁美に言った。
「…何処へ行こうとした?」
悟の声と、手の力に顔が歪んだ。
その2人の雰囲気に、憂太も困惑した顔を向けている。
「……憂太を高専に送る。」
そう言って、悟は仁美の腕を離した。
握られた腕が、ズキズキと痛んだ。