【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第9章 五条先生と副担任※
悟はすぐにその反応を理解した。
仁美の術式が反応しているのは、憂太では無くて、その『呪い』に対してだ。
困惑した顔でそれを見ている仁美はまだ気が付いていない。
(……何で指輪に反応しているの?)
憂太の指輪は折本里香と繋ぐ媒介だ。
その媒介が回帰の術式と反応している。
(私は何故、20回も回帰している?)
心臓の鼓動が速くなり、その音が耳の奥に響いている。
ドクン、ドクン、ドクン。
憂太と折本里香を繋いだ呪い。
それに反応する術式。
憂太は折本里香の死を目の前にして、それを拒んだ。
呪いと言う形で、特級過呪怨霊折本里香を創り上げた。
(…私も、回帰の中で死を体験したはずだ。)
仁美はバッと悟を見た。
その表情は、自分の解釈が間違っていると。
悟にそう否定して貰いたい。
そんな懇願にも見えた。
(…バレたか…。)
仁美がどんな答えを聞きたいか分かっているのに。
悟は仁美を見て、ふっと笑った。
ザワッ!
悟のその顔を見て、全身の毛が逆立つ感覚が襲った。
仁美が死を迎えた時に、悟はその場に居たはずだ。
仁美の脳裏にあり得ない文字が浮かんだ。
悟が私の死を拒んで。
『私を呪った。』
そして特級過呪怨霊を作り上げた様に。
回帰を繰り返えさせた。
仁美の真実の相手として自分が助ける為に。
(私の為?)
仁美はぎゅっと自分のスカートを掴んだ。
違う、コレは。
ただの一方的な悟の呪いだ。
悟は知らない。
回帰をする際の魂を弄られる苦痛を。
何度も何度も同じ光景を繰り返す虚しさも。
毎回悟の愛が偽物だと突き付けられる胸の痛みを。
それを永遠に繰り返し。
死んだ方がマシだと思える絶望を。