【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第9章 五条先生と副担任※
その仁美の腕を掴んで、悟は仁美に言った。
「仁美は僕と。」
…どうなんだろう。
この公私混同は。
ほら、生徒達の目線がおかしい。
揉めてもいい事は無いので、仁美はそのまま悟に従う。
車で移動する様で、鍵を悟から受け取った。
ああ、運転手か。
鍵を受け取り、目を伏せて仁美は運転席に乗る。
仁美の個人情報は把握済みの様だ。
現場の学校に着いて、仁美は目を細めた。
低級呪霊達だが、帳を下ろしていない状態でも数十体は確認出来た。
ここに足手纏いになりかねない憂太を挿入するのかと、随分とスパルタな悟に仁美はため息を吐いた。
憂太自身、自分が何をすれば良いか分からない様だ。
仁美はうーんと考えながら憂太を見る。
困惑している姿は、初々しくて可愛いが決して愛の様なモノは感じない。
この自分の憂太へのテンションを、どう持っていけばいいのか全く分からなかった。
そんな仁美を横目に見て、悟は口角を上げて帳を下ろしながら、憂太と真希に激励の言葉を伝える。
「死なない様に。」
本当に見殺しにする気も無いくせに、無駄に憂太を動揺させる。
本当にいい性格をしている。
今世では新しい悟の姿が次々に見えてくる。
それに戸惑う事はあっても、初めからその彼に会っていたら。
愛さなかったのかと聞かれたら。
多分愛していただろう。
20回回帰を繰り返してた理由に納得した。
本当に自分は悟の表面的な部分しか愛していなかった様だ。
仁美はチラッと悟を見た。
もしかしたら。
この素のままの悟を愛したなら。
今世は回帰が起きないのでは無いか。