【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第8章 真実の愛※
その気配から、それが術師なのは分かった。
湯船に浸かっていると、ガラッと傑も入って来た。
傑も来ると思っていたので、仁美は彼を見上げて笑顔で迎えた。
傑が入って来ても、十分な広さではあるが、仁美は敢えて傑の前に移動した。
傑に後ろから抱きしめからて、先程まで感じていた、死の不安は少しだけ安らいだ。
「夏油様〜お食事の用意しておきました〜!」
突然、色っぽい女性の声がした。
仁美はビクッとなって、声がするドアの方を見たが、その人は声を掛けて、そのまま屋敷を出た様だ。
……色っぽい声の女性……。
仁美はバッと振り返って、傑を睨んだ。
一瞬傑もビクッとなっていたが、仁美の意図が分かると、笑って言った。
「…私が仕事をすると、食欲が無くなるから、家族が気にして食事を作りに来てくれているんだ。」
仁美の分かりやすいヤキモチに、傑の目が細くなる。
心配で頻繁に家に作りに来るほど、仲のいい。
モヤモヤは止まらない。
「仁美は可愛いね、いつもそんななの?」
仁美のモヤモヤをよそに、傑は後ろから仁美の顎を掴むと、頬に何度もキスをしてくる。
「…20回回帰を繰り返すと、情緒不安定になるのよ。」
仁美は傑の方に体の向きを変えながら言った。
「…突然、涙が出たり?」
傑が涙の跡を、指で拭った。
「…そうね…。」
拭がられた傑の手を握って、仁美は視線を傑に戻した。
視線が合って、どちらかともなく、2人の顔が近付いた。
触れた唇には、すぐに舌を入れた。
浴槽に、舌を絡める音が響いた。
少し揺れるだけで、お湯の音も聞こえて来て、それがまた気持ちを昂らせる。