【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第8章 真実の愛※
「既に、悟にお願いしてる、五条家使って、私が高専の先生になれる様に。」
憂太と全く接点の無い仁美が、彼に接触するには、それしかなかった。
「彼と仲良くなって、傑の所に連れてくるよ。」
そうすれば百鬼夜行も無くなり、傑が死ななくてもいいかもしれない。
「…そうしたら、仁美の術式の解呪の方法が無くなるよ?」
「あ、そうだね…でも別にいいよ。」
悟では無いけど、仁美もどうしても、憂太が真実の相手には思えない。
傑がそうだと言われた方が、しっくり来る。
壊れた術式のルールなんて、もう成り立たないのでは無いだろうか。
仁美が傑を違うと思ったのは、彼が百鬼夜行に死ぬからだ。
もし、違う未来があるなら、彼しか考えられなかった。
「…仁美…何を隠してる?」
傑の言葉にビクッとした。
「…何も…。」
貴方が死ぬって事だけは、絶対に言えない。
仁美はギュッと拳を握った。
震える仁美の手を、傑は目を伏せて見ていた。
そして、ため息を吐くと、仁美を抱きしめた。
「…君だと、悟が周りにいてすぐに気付かれる。」
仁美は目を顰めて、傑の肩を突き放した。
驚いた傑の顔を見て、仁美は泣きそうになった。
「じゃあ、百鬼夜行辞めて、私に乙骨憂太頂戴!」
仁美がそう言った表情を見て、傑の目が歪んだ。
ダメだ、これ以上言ったら、傑は気が付いてしまう。
仁美はパッと傑から顔を逸らした。
ただ、傑に生きていて欲しいだけだ。
「……………。」
傑はしばらく困惑した顔で仁美を見ていた。
出しかけた手は、仁美まで届かなかった。