【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第7章 異国の一夜※
悟が、仁美を呪って、回帰を繰り返えさせていると知ったら、本当に愛してないと言いそうだ。
それどころか、仁美は悟を憎むだろう。
グッと悟の目が歪んだ。
仁美は悟の顔を見上げて、口を開いた。
「……あ…。」
その瞬間、仁美の唇を悟が塞いだ。
再び入ってきた悟の舌を、仁美はガリっと噛んだ。
「!!」
悟は咄嗟に、唇を離すと、仁美を見下ろした。
仁美が睨む様に自分を見上げている。
「……本当に今世の貴方は何なの?」
こんな悟は知らない。
いつも仁美の望む事しかしないで、優しく微笑んでいた悟は何処にいったのだろう。
悟は仁美の言葉の意味が分かると、笑った。
「本来の僕はこういう性格だ、仁美の前では猫を被っていた様だ。」
穏やかな日常を望み、回帰の不安を少しも見せない。
仁美はそんな悟を望んでいた。
そして悟は、仁美に愛される為に、そんな虚構の恋人を作った。
嘘も本当になる位の、大きな虚構の箱の中に、仁美を入れておく為に。
悟の話を聞いて、仁美は眉間に皺を寄せて笑った。
「………なるほどね……。」
仁美は目を伏せて言った。
「回帰するはずよね…私が愛した人は、偽物だったんだから…。」
初めから真実の愛は無かった様だ。
でもそれは、悟だけに言える事では無いだろう。
何回も回帰を繰り返す中で、仁美も次第に、悟により愛される為に演じてきた。
きっと2人は、自分が理想としている恋人しか愛せないのだろう。
そんな思いが仁美に過ぎって、仁美は目を悟に戻した。