【呪術廻戦】五条悟から逃げたいので呪詛師目指します【R18】
第7章 異国の一夜※
静かなレストランなら、この気持ちのまま食事をしたら、お通夜になってしまう。
「仁美、コースでい…「ビール大で。」」
「……………。」
(硝子タイプか……。)
悟の言葉に被せる様に、仁美は目線も合わせずに言った。
悟は適当に料理を頼むと、ビールが早めに来る様に、伝えてくれてる。
(……相変わらず、優しい…。)
仁美がどんな態度を取っても、悟はいつも笑顔で対応してくれる。
久しぶりに見たその悟の光景に、仁美は膝を付きながら、目を細めた。
「……………。」
悟は目を細めて、仁美のその光景を見ていた。
膝を付いて前屈みになっている仁美の胸元が、ワイシャツの隙間からテーブル越しに見える。
タイトな黒のスカートで足を組んでいるその曲線からは、細い太ももが綺麗に見えている。
(……誘ってるのか。)
しかし、誘われているのは悟だけでは無い。
気怠げな顔で、ボーッと外を見ている仁美のその姿に、レストラン中の男が釘付けだ。
悟は今すぐに、その場の男達を抹消したくなる。
すぐにビールが来てくれたお陰で、仁美の姿勢が治り、嬉しそうにビールを受け取った。
この店の男達は、このウエイターに命拾いをした。
「いただきます。」
仁美はそう言うと、一気に大ジョッキのビールを半分飲み干した。
「………。」
その豪快さに、悟は釘付けだ。
空腹でそんなにビールを一気に飲んで、大丈夫なのだろうか。
いや大丈夫と信じたい。
仁美はジョッキをテーブルに置くと、ふぅとソファにもたれた。
やはりその目は、覇気がなく、先ほどの呪術師の話を思い出している様だ。
すぐにまたジョッキに手がいき、一杯目はあっという間に飲み干した。