第15章 銀八 水分補給
「うーん…
まぁ、あれだ。
高校生に手を出す程
女に飢えてねぇってことだ。」
あーもう手が痛い。
これ以上握りしめることは
出来ないくらいに
手に力がこもる。
「……なーんてね!!
びっくりした?
しばらく会えなくなるから
先生寂しいかなーと思って!」
まだ、大丈夫。
頑張れる。
頑張れ、私。
「もうちょっと驚いてくれてもいいのに!」
ダメだ。
声が震える。
「じゃあ私帰るね!
また2学期に会おうねー!」
言い捨てるように言葉を締め、
先生の言葉を待たずに
資料室を後にした。
後半、
1度も先生の顔を見ることは出来なかった。