第15章 銀八 水分補給
先生の後を追って、
職員室へ向かった。
しかし、
銀髪のふわふわとした
頭はそこにはなかった。
となると、
先生のいる場所は一つ。
私は
国語資料室のドアをノックした。
しかし、
中から何も返答はない。
私は
内心迷いつつ、
そっとドアを押してみた。
案の定、
軽々とその扉は開いた。
なんだか、
人のテリトリーに無断侵入するという
すごく悪いことをしている気分になり、
胸が高鳴った。
こういうスリルは
案外嫌いじゃない。
部屋の中を覗くと、
きっと勝手に持ち込んだであろう
本来必要のなさそうなソファに
目的の人物が
横になっているのを確認できた。
私は
そっと資料室に足を踏み入れ、
後ろ手でドアを閉めた。