第11章 近藤・土方 願ってはみるけど叶うなって思ってる。
ぶっちゃけ、アキに彼氏がいたことはあった。
近藤さんが知らないだけで。
アキに彼氏がいるなんて言おうものなら、
どれだけの言葉と鼻水が飛んでくるかは、隊士全員が理解している。
だから、申し合わせずとも自然と近藤さんには伝わらずに今に至る。
「別に俺達がどうこうしなくても、アキが結婚してぇって思ったときに、
邪魔せず送り出してやったらいいんじゃねぇのか?」
どうにか納得させてこの場を収めよう。
俺はもう眠い。
「そうか…うん、そうだよな。あんまり世話焼きすぎてもアキに怒られるしな…」
「とりあえず俺はもう寝るぞ。近藤さんもさっさと寝ろよ。おやすみ。」
「あ、あぁ。おやすみ!」
そう言って俺は近藤さんの部屋を後にして自室へ戻り寝床についた。
近藤さんの部屋を出る間際に見えた近藤さんの顔は
全く晴れておらず、むしろ脳みそぐるぐるしてんだろーなーって顔をしていた。