第1章 銀時 花の金曜日
ブーッブーッブーッ
気付いたらそのまま寝ていたらしい。
諦めて手から離れていた携帯から
規則正しいバイブ音が響いて目が覚めた。
銀ちゃんからの着信。
どうせ酔っ払って適当にかけちゃったんだろうなんて思いながら電話をとった。
「もしもし?どうしたの?」
「あ!アキちゃぁん?何してんのー?」
酔っ払い特有の間延びした声にまた溜め息が出そうになった。
「何にもしてないよー銀ちゃんに振られたからおとなしくゴロゴロしてたら寝ちゃってたー」
「あ、起こしたー?おはよ。まぁそう拗ねんなって!銀さんはいつでもアキのことが大好きなわけよ?わかる?」
会話がかみ合わない。
「・・・で?女の子と遊んできた酔っ払い銀ちゃんは何の用なんですかー?」
皮肉をたっぷり込めて言ってしまった。
可愛くないなぁと自分でも思う。