第1章 銀時 花の金曜日
「んー?アキがふてくされてるんだろーなーと思って電話かけてみた」
「そんなことないもん」
少し抑えめの声で苦し紛れの抵抗をしてみたり。
けど、当たってるのがむかつく。
「それに?銀さんもアキの声聞いて寝たかったしー。
アキも電話きて嬉しかったでしょ?」
「・・・嬉しかったです。」
ちょっとときめいた部分まで見透かされるとは。
「明日会ったら抱きしめてあげるから今は我慢なー」
「わかった」
きっと、今抱きしめてほしいのに。って思っていることも見透かされているかのように、電話の向こうから優しい笑いが聞こえた。
「とりあえず銀さんはもう眠くて死にそうだから寝る!
じゃあまた明日なーおやすみ」
「おやすみ!電話ありがと」
「おう」
恥ずかしさを我慢してお礼を言ったら、
優しい声で返事をしてくれた。
そして電話が切れた瞬間
ボフッと枕に顔をうずめずにはいられなかった。
くそ・・・ニヤニヤが止まらない。
さっきまであんなに拗ねてた自分はなんだったんだろうと思うほどに。
やばい。幸せ。
明日が待ち遠しい。
もー花の金曜日なんて早く終わってしまえ!
でもさっき少し寝てしまっていたせいか寝つけない。
くっそ!!!!いつまでニヤニヤしてればいいんだ!
暇な金曜日も悪いことばかりじゃなかった。