第7章 銀時 ただの救世主
「あーもう大丈夫だから。
ってかアキってそんな虫ダメだったっけ?」
銀さんは子どもをあやすように、私の頭を撫でながらそう言った。
「Gだけは…Gだけはダメなの…
気持ち悪い。何あのカサカサって動き。
きもいきもいきもい。鳥肌しか立たない…」
「わかったわかった。とりあえず部屋入れてくれる?
ここで銀さんにくっついてても何も解決しないよ?
これはこれで俺は嬉しいけどね?」
ちょっと意味はわからなかったけど、最後の言葉にも半分背中を押され、銀ちゃんから離れた。
部屋に入ると、すぐさま銀ちゃんに新聞紙を渡し、
私はさっきまで避難していたベッドに、再び体育座りをするように座った。
「え?何この“さぁどうぞ!”みたいな空気。
いや、銀さんまずターゲットの姿すら確認できてないからね?」
「でもどっかにいるもん…」
クッションを抱きかかえながら消えていくように答えた。
そんな姿を見て銀ちゃんは大きくため息をついた。
何かを考えるように頭をかくと、私の横にボスっと腰かけた。
「アキ、万事屋銀ちゃんはね、前払い制なのよ。」